サンプル
プロローグ
プルルルルー、プルルルルー。友達からの突然の電話。頼んでいた仕事の話。(どうしよう?また、断ろうか?いや、やるべきだ!)心の中で葛藤が始まる。ここ1年半仕事らしい仕事もしてなかった。食べていければいいと思っていた。人とのかかわりあいが恐い、うざい、あぁ〜面倒だ。こんな日々がいつまで続くのだろうか?ニューヨークに住んではや7年がたち、これと言って面白いこともなくただ同じ日々が続く。ファッション業界に入って10年がたち俺も今年で33歳。 「こんなんじゃダメだ、前に進まなきゃいけない。」 しかし俺にいったい何ができる?ファッション以外で?そう考えるとまた憂鬱になる。多くの人が自分の本当にやりたい事を見つけられず、毎日充実感も得られず働き、そしてただそこに立っている。ただ毎日そこに立っている。立っている...。俺もそのひとりだった。 人間、ついてない時はとことんついてない、まるで何かに取り付かれたかの様に。きっとそのうちいい事が突然やってくると信じる。でもいつまでたってもこない。こんなふうに思ったことありませんか?俺なんてしょっちゅうです。自分が少し病気ではないかと思ったこともあります。だって働きたくない、友達と合うのも面倒、食べるのも面倒、電話を取るのも面倒、生きているのも面倒、しかも、しかも、しかも、と書き足りないぐらい山のようにマイナス思考が押し寄せて来る。あぁ〜疲れる。何にもしてないのにただ、疲れる。この自分のまわりのヨドンダ空気で息がつまりそう。何かしなくては、これ以上待てない。前に進むんだ、何も考えずにただ前に進むんだ!待ってちゃだめだ!進むんだ!進むんだ!進むんだ!進むんだ!進むんだ!恐いけど。 なぜ俺が突然ファッション業界を止めてシェフになろうと思ったか?実は前々から思ってたんです。その時はシェフになろうとは思ってなかったのですが、とにかくどうせ働くなら「手に職」のタイプでした。年をとっても自分で定年退職の決められるものを。前から、30〜40歳の間でもう一つ何かで食べていけるものが欲しかった。それがたまたま俺が選んだのはシェフだった訳で、理由はいたって簡単。料理は前から家ではしてました。が、それは人間食べなきゃ生きてはいけないだけの事。みんなしてる事ですよね。ただ少し違ったのが、友達が家に遊びに来てくれた時に俺が料理したのを食べて、みんな「美味しい、美味しい」と言ってくれました。そこで単純にシェフになろうとは思わず、人から「美味しい」と言われると妙に得もいわれぬ快感に気がつきました。これです、これなんです。なんでもいいじゃないですか?自分が心のそこから感じる快感をあなたも仕事にしてみては?アイスクリームが好きならアイスクリーム会社に行ってください。会社は行きたくなくて食べるのが好きならお店に行って、かたっぱしからいろいろな会社のアイスクリームを食べて、リサーチをまとめて売り込んでみてはどうでしょうか?(ダメもとで行ってダメでも悔いはのこらないはず)きっとあなたの空気も変わるはずです。俺もこれから楽しい事ばかりじゃないと覚悟してます。なるべくこの「シェフの道」は素直に書こうと思ってます。 そしてもし御縁があってこのホームページを御覧の皆さん、やるだけやってみますので、「もうこんな年だし」とか、「やりたいこと見つからないし」と思う前に俺といっしょに恐いけど前へ進んでみませんか?何でもいいじゃないですか?出来ることから始めてみましょう。仕事に大きいも小さいもないのですよ。お金は後からついてくるもの、給料が安い分あなたは必ずお金では買えないものをすでにつかんでいるはずです。そしてこの「シェフの道」を読んで皆さんの心に、少しでも前に進むエネルギーが得られる事を深く信じています。 「さぁ、そろそろ前へ進みましょう。長いお休みは終わりです!」 |
メールマガジン解除